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「ウイルス」と「細菌」の違い

呼吸器感染を来す病原性微生物は、主にウイルスと細菌(バクテリア)に分けられます。その違いについて説明します。

この二つは全く異なる微生物で、例えば細菌は環境と栄養と水があれば自分で生きていけますが、ウイルスは他の生物の細胞に入らないと生きていけません。

大きさも細菌の方がかなり大きくウイルスの50倍以上の大きさです。

微生物のイメージ写真

ウイルス感染症

皆さんがご存じのCOVID-19(コヴィッド-ナインティーン、いわゆる新型コロナ感染症)とインフルエンザが代表的な呼吸器のウイルス感染症です。院内で行う抗原検査でCOVID-19やインフルエンザの診断が迅速に行えます。短期間で治癒する場合も多いですが、ご高齢の方や基礎疾患をお持ちの方は重症化することもあり、処置治療が大切かと考えます。この二つにウイルス感染症についてはそれぞれの「抗ウイルス薬」が使用できます。体内のウイルスを早く減らすことで症状を早くやわらげるだけでなく、重症化予防や後遺症予防の効果も期待されます。

一方で「かぜ」は80~90%がウイルス感染で、主な原因ウイルスとしては、ライノウイルス、コロナウイルスが多く、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどが続きます。しかし、実際の治療の現場では、かぜの原因のウイルスを受診当日や数日以内に確定することは難しく、検査をしても結果が判明するまでに治癒してしまうことから、実用的なウイルス同定検査はありません。発熱、鼻水、のどの痛みでインフルエンザとCOVID-19の抗原検査が陰性なら「かぜ」と診断するとの消去法的な診断が多いのが現実です。また「かぜ」に対する抗ウイルス薬もないので、それぞれの症状を和らげる「対症療法」が治療の中心になります。

細菌感染症

マイコプラズマや肺炎球菌などは呼吸器感染を起こす細菌で、感染する場所により肺炎や気管支炎、咽頭炎や副鼻腔炎などの病名になります。細菌感染症にはそれぞれの菌に効果が期待できる(感受性がある)抗菌剤による治療を行います。

どの菌による感染症であるかを診断するには、痰などの検体を培養して検出される菌を確認する必要がありますが、培養には数日以上の時間がかかるため、実際には結果を待っていられずに「肺炎診療ガイドライン」などに基づく、これまでの経験から抗菌剤を選択する「エンピリック治療」という方法で治療を始めます。

以上のように治療法が大きく異なることから、ウイルス感染か細菌感染かをできるだけ見極めることが大切です。