つらい“発熱・かぜ・感染症”について
- 2019年の新型コロナ感染症COVID-19の出現以来、日常の社会生活にも大きな影響を与えている呼吸器感染症の診断と治療をします
- インフルエンザやCOVID-19の迅速抗原検査が行えます
- 気管支炎や肺炎ではレントゲンやCTの画像診断で重症度を的確に判断します
- 白血球数や炎症を反映するCRP値は院内で測定し、当日に結果を説明します
- 慢性感染症の肺非結核性抗酸菌症、肺MAC症(マック症)の診断、治療も行います
- 抗ウイルス薬や抗菌剤(抗生物質)の適切な使用を心がけています

ウイルスと細菌による呼吸器感染症
呼吸器感染を起こす病原性微生物はウイルスと細菌(英語でバクテリア)がほとんどです。
しかし、この二つは治療法が異なるため、区別して治療をしなければなりません。皆さんがご存じのCOVID-19(コヴィッド-ナインティーン、いわゆる新型コロナ感染症)とインフルエンザが代表的な呼吸器のウイルス感染症です。院内で行う抗原検査でCOVID-19やインフルエンザの診断が迅速に行えます。
細菌感染症では肺炎球菌やマイコプラズマなどがよく知られており、これらには抗菌剤(抗生物質)を投与します。昔はかぜで病院に来られた患者さんにも「抗生物質」よく処方していました。
しかし、抗菌剤は「細菌」をやっつける薬であり、かぜの多くは「ウイルス」の感染症なので、今では処方することが減っています。当クリニックではインフルエンザやCOVID-19の抗原検査だけでなく、血液検査や胸部レントゲンなどで、感染症の原因をしっかり調べることができます。
インフルエンザとCOVID-19でなければ「かぜ」?
かぜは「かぜ症候群」という主にウイルスによる上気道感染症です。
「発熱・鼻水・のどの痛み」でクリニックを受診された場合は、インフルエンザとCOVID-19の抗原検査を行い、それが否定されたら「かぜ」の可能性が高くなります。しかし「発熱・鼻水・のどの痛み」はウイルス感染症だけかと言えば、そうではありません。
上気道炎の中でも扁桃炎や咽頭炎、副鼻腔炎では「細菌感染症」の場合があります。細菌感染症であれば、菌に対する「抗菌剤」が治療に必要になります。昔は医師も「かぜ」と診断しても抗菌剤を処方していましたが、徐々に抗菌剤の適正使用が求められ、今はウイルス感染症である「かぜ」と診断した場合には抗菌剤は処方できません。
従って、インフルエンザとCOVID-19が否定されただけで、「かぜ」と診断して「風邪薬」を処方するのではなく、細菌感染症では無いかを調べることが必要なのです

感染した場所による呼吸器感染症の分類
呼吸は鼻と口を入り口として吸い込んだ空気がのど(咽頭・喉頭)、気管、気管支とだんだん奥に向かって肺に届きます。このように空気の通り道にはそれぞれ名前がありますが、全体を『気道』、英語でエアウェイ(Airway)と言います。
さらに口と鼻からのどまでを「上気道」、気管から肺までを「下気道」に分けます。
例えば発熱があって、症状は鼻水やのどの痛みで咳や痰がなければ「上気道炎」でかぜや咽頭炎を疑い、咳や痰も出ていれば「下気道炎」で気管支炎を発症して肺炎も疑います。
このように感染の場所で分けると「上気道炎」は耳鼻咽喉科、「下気道炎」は呼吸器内科が専門と思われますが、どちらの診療科でも『気道』をどこかで切り分けるのではなく一つの臓器と考えて総合的に診療することが重要と考えます。
重症の急性副鼻腔炎、急性扁桃炎、急性咽頭炎について
急性副鼻腔炎、急性扁桃炎、急性咽頭炎などは耳鼻咽喉科で診察する疾患ですが、当院でも初期治療を行います。
のどの感染症はまれに呼吸状態の急速な悪化をきたすことがあり、重症化が心配な場合は当院と同じ医療法人で当院からの交通の便もよい出町柳の耳鼻咽喉科いぐちクリニックか京都駅前耳鼻咽喉科アレルギー科クリニックの二つの耳鼻咽喉科クリニックと連携して万全の体制で治療に当たります。
コロナ後遺症
COVID-19にかかったあとの体調不良の方
2019年に発生した新型コロナ感染症COVID-19は変異株の変化と共に重症化は減っているとも言われています。一方でかぜやインフルエンザと違い、感染後の体調不良が長く続く「コロナ後遺症」と言われるCOVID-19罹患後症状の方が一定数おられます。
せきが長引くといった呼吸器症状だけでなく、倦怠感や味覚・嗅覚障害、また胃腸の症状など呼吸器以外の症状の方が多いのも特徴です。
まだ後遺症に対する効果が確立した治療薬はありませんが、COVID-19後に新たな病気になっていないかなど、丁寧にお身体の状態を調べさせていただき、結果によっては薬物療法を相談させていただきます。
