咳がとまらない、長引く咳の検査と治療
2025年09月16日
開院して「咳がとまらない」長引く咳の患者さんが多いのを実感しています。
咳が止まらない、長引く咳の原因はいろいろですが、
・「感染性のせき」:コロナやインフルエンザなどの感染による
・「感染後のせき」:感染自体は終息していても長引く
・「咳喘息」:喘息系の炎症で起きる
・「アトピー性のせき」:アレルギーでのどがイガイガする
・「後鼻漏(こうびろう)によるせき」:鼻炎や副鼻腔炎など鼻水が関係した
・「タバコによるせき」:喫煙、肺気腫、慢性期気管支炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患)など
・「慢性肺疾患によるせき」:肺線維症・間質性肺炎など
・「慢性呼吸器感染症によるせき」:肺結核、肺非結核性抗酸菌症、肺マック症など
・「腫瘍によるせき」: 肺がんなど
・「胃食道逆流症によるせき」: 逆流性食道炎など
・「薬剤性のせき」:お薬の副反応でせきがでる
・「心因性のせき」:心理生理的にせきがでやすい
などと多様です。
これらをできるだけ早く見分けるために、次のような検査ができた方がよいと考えます。
・レントゲンとCT:画像診断で目に見える「肺の病気」が無いか調べます
・院内でできる血液検査:白血球数や炎症・感染で上昇するCRP値で「感染」の活動性を評価します
・呼気一酸化窒素(NO):喘息の原因になる好酸球による気管支内の炎症を評価して「咳喘息」の診断ができます
・モストグラフ:咳が出ている時でも検査がしやすいモストグラフで「呼吸抵抗」を調べます
当院では以上の検査をご来院いただいたその日に行い、結果も当日にお伝えして、咳の治療に役立てています。
しかし、実際には長引く咳の原因が一つではないことも多く、一度の受診、一度の投薬ですぐに咳が全くでなくなることは稀です。治療の反応をみながら、軌道修正をしてできるだけ早く治るお手伝いができるように心がけています。